赤外分光法はもっとも基本的でありなから、光学系を工夫することで応用範囲を拡張できる分光分析法である。とくに近年、赤外分光装置といえばFT-IR分光計を指す状況となり、極めて多くの研究機関や分析の現場に普及している。しかし、残念ながら日本語で書かれた赤外分光法の解説書は絶版が相次ぎ、研究者や学生に不自由な状況が続いている。さらに最近、顕微赤外分光法、赤外イメージング、和周波発生分光法、さらにはテラヘルツ分光法など、赤外分光法と関連する手法が顕著に発展してきたことも、時代にかなった新しい赤外分光法の解説書を強く要請している。本書は赤外分光の基礎から関連手法まで網羅的に解説したものである。

＜目次＞
第I部　基礎編
1.赤外吸収に関する基礎的事項　田隅 三生
2.基本的な試料取扱法　坂本 章
3.定量分析の基礎　落合 周吉
4.FT-IR分光法の原理　増谷 浩二
5.FT-IR分光計のハードとソフト　増谷 浩二・落合 周吉
6.赤外分光におけるケモメトリックス　長谷川 健

第II部　各種測定法
7.正反射測定法　長谷川 健
8.薄膜・界面の外部反射測定法　長谷川 健
9.金属基板上薄膜の反射吸収測定法および偏光変調方式反射吸収測定法　増谷 浩二・落合 周吉
10.拡散反射測定法　落合 周吉
11.全反射吸収測定法　落合 周吉
12.表面増強赤外測定法　大澤 雅俊
13.光音響分光法　落合 周吉
14.発光測定法　落合 周吉
15.顕微赤外測定法　落合 周吉・関 洋文
16.赤外分光イメージング　嶋田 茂
17.LC-IRとGC-IR　落合 周吉
18.近赤外分光法　高柳 正夫
19.テラヘルツ分光法　西澤 誠治
20.時間分解赤外分光法　坂本 章
21.二次元相関分光法　森田 成昭・新澤 英之・尾崎 幸洋
22.赤外円偏光ニ色性　濱田 嘉昭
23.振動和周波発生分光法　石橋 孝章
24.フーリエ変換ラマン分光法　古川 行夫

補足
25.赤外分光学とフーリエ変換分光法の基礎　田隅 三生

＜編者・著者＞
田隅 三生　　東京大学名誉教授・サピアーク研究室主宰
坂本 章　　　埼玉大学大学院理工学研究科准教授
落合 周吉　　株式会社エス・ティ・ジャパン顧問
増谷 浩二　　株式会社マイクロ・サイエンス代表取締役
長谷川 健　　京都大学化学研究所教授
大澤 雅俊　　北海道大学触媒化学研究センター教授
関 洋文　　　株式会社東レリサーチセンター研究員
嶋田 茂　　　ブルカー・オプティクス株式会社マネジャー
高柳 正夫　　東京農工大学大学院連合農学研究科教授
西澤 誠治　　株式会社IHIセキュリティープロジェクト部技師長
森田 成昭　　名古屋大学エコトピア科学研究所助教
新澤 英之　　産業技術総合研究所研究員
尾崎 幸洋　　関西学院大学理工学部教授
濱田 嘉昭　　放送大学教授
石橋 孝章　　広島大学大学院理学研究科准教授
古川 行夫　　早稲田大学先進理工学部教授
※所属は2012年4月現在

＜登録情報＞
判型：A4判
ページ数：201ページ
編著者：田隅三生
編集：社団法人日本分光学会編集委員会
発行：株式会社エス・ティ・ジャパン
発行日：2012年4月
ISBN：9784990632700

※この商品には会員価格がございます。分析産業人ネット会員及び検査分析士会会員の方はお問い合わせください。