「ハンドヘルド蛍光X線分析の裏技」−どこから読んでもおもしろいー

【書評】
題名に裏技とあるが、内容はハンドヘルド蛍光X線分析計開発に携わった著者と日本分析化学会の講師が検出原理と蛍光X線分析の基礎をわかりやすく説明し、実際の利用時の留意点や機器の機能の紹介を開発の歴史を紐解きながら平易な言葉で表現している。
読者の興味ある部分だけ読んでもおもしろい内容がふんだんに盛り込まれており、分析化学が専門でない使用者や、ハンドヘルド蛍光X線分析計を使って測定した結果を、専門の分析事業者から受け取る側が専門的な説明内容を理解する時にも役に立つ一冊である。
装置が簡単になればなるほど、機能が特化されればされるほど、その仕組みや成り立ちを理解していないと正しい測定結果が得られなくなるということを考えさせられる内容が盛り込まれている。
また、正しい知識を得て理解を深める事で更なる発展や応用に繋がる楽しみも生まれてくるので、蛍光X線分析の専門的な知識を深堀したい方にとっても最適な入門書となることは間違いない。


☆「Journal of MMIJ」資源・素材学会会誌(2014年No.12)へ書評が掲載されました。


判型：B5判
ページ数：94ページ
編著：遠山惠夫・河合 潤
発行：株式会社アグネ技術センター
発行日：2014年9月15日

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