●メタル、スラグ、ソルトなどの高温融体の物性測定を、密度、熱量、蒸気圧、表面・界面、粘性、拡散、電気伝導、熱伝導の各章で解説
●納得のいく結果を得るコツや、必要な装置を手作りする実験方法から、工学・理学の基礎を学べる書

【書評】
―測定器を買ってきても正しい値は得られないー

読み物として面白いと紹介されているが、さすがにレベルが高い読み物で実際の測定に関わっていないとこの面白さはわからない内容である。ブラックボックスと化した測定装置を用いていかに正しい測定結果を得るかは、測定の原理と対象物質の特性、周辺の環境など細かい点まできちんと把握していないといけないということ実験を通して理解していく手助けをするという指導書である。高温の熱的物性と一言で言っても密度、熱量、蒸気圧、表面・界面の測定があり、輸送的物性として拡散、粘性、電気伝導、熱伝導の測定などがある。基礎をしっかり理解して正しく測るための様々な工夫の必要性を知る事で測定の楽しみも増すという点で大変参考になる一冊である。

☆「まてりあ」2012年No.1、「熱測定」2011年No4.へ書評が掲載されました。

編著：白石 裕・阿座上 竹四
発行：株式会社アグネ技術センター
発行日：2011年7月30日
A5判・並製／360ページ